この場面について
夏は、記憶に残りやすい季節です。長い休み、夕立、蝉の声、遅くまで明るい空。大人になってからも、夏が来るたびに子どもの頃のどこかの夏を思い出す人は多いのではないでしょうか。
夏の感情浴には、熱さと懐かしさがよく似合います。全力で何かに打ち込む物語、ひと夏の冒険、夜に聞く少し怖い話。どれも夏という季節が持つ特別な空気と響き合います。暑さで何もする気が起きない午後には、涼しい部屋で遠い土地を旅する作品を浴びるのもおすすめです。
夏に浸かった作品
この場面で記録された17作品を、しずくの多い順に並べています。しずくの数は、心が動いた大きさの目安です。

野田サトル『ゴールデンカムイ』 雪の森から、とんとんと音がする
汁をすする音まで聞こえた

二十二分ごとに、太陽が終わる 『Outer Wilds』
焚き火の前で動けなくなった

将棋のルールを知らないまま、五巻で本を伏せた 羽海野チカ『3月のライオン』
五巻で本を伏せた

『夏の庭 The Friends』 見張るはずだった夏が、通う夏に変わる
しばらく動けなかった

夏になると、あの長い食卓に帰りたくなる 細田守監督『サマーウォーズ』
電話の場面で背中が熱くなった

雨戸を閉めて、耳で読む怪談 小泉八雲『怪談』(朗読で聴く)
耳の奥がひやりとした

鉛筆の線が五人になって、コートへ歩いてくる 『THE FIRST SLAM DUNK』
背中がずっと熱かった

梅酒で酔った夜から、四人目の妹になる 吉田秋生『海街diary』
梅の実の色がしみた

生まれる前のゲームで、家に電話をかけたくなった 『MOTHER2 ギーグの逆襲』
家に電話をかけたくなった

卵ひとつの重さを、十五巻かけて量りなおす 荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』
卵を割る前に手が止まった

元夫が三人、みんなちょっとずつ好きになっちゃう 『大豆田とわ子と三人の元夫』
最終回のあと、台所で立ったまま

九十五分のうち、怖いのは何も映っていない時間だ 映画『リング』
背中が冷えた

題名は、日付だけ 坂本龍一『12』
信号をひとつ見送った

毒見役の子が、毒の話のときだけ目を輝かせる 『薬屋のひとりごと』第2期
通学の電車で三回くらい笑った

障子の向こうから聞こえてくるような、十の夢 夏目漱石『夢十夜』を耳で読む
耳の奥がひやりとしました

段ボールのロボットに、大人まで振りまわされる 『よつばと!』
声を出して笑った

夜勤明けに、小説でできた音を YOASOBI『THE BOOK』
足取りが少し速くなった
ほかの記録
感情浴会の記録や読みもののなかで、この場面にふれたものです。
2026.08.09感情浴会の記録第76回 画面越しに、夏休みの親戚の家へ 『サマーウォーズ』懐かしみたい
しずく5
2025.08.16感情浴会の記録第64回 灯りを消して、耳だけで聴いた三つの話 小泉八雲『怪談』ぞくっとしたいしずく4
2024.08.25感情浴会の記録第52回 夏の終わりに、電車の教室へ 『窓ぎわのトットちゃん』懐かしみたいしずく5
2023.08.20感情浴会の記録第40回 最後の数十秒、音が消えた 『THE FIRST SLAM DUNK』熱くなりたいしずく5
2023.08.19読みもの山の家で、二十五話ぶん跳んだ 五人の夏合宿熱くなりたい・笑いたい・遠くへ行きたいヤギ2023.07.22感情浴会の記録南極の台所と、八人の一年 『南極料理人』の回(第39回)おなかを空かせたいしずく3
2022.08.27感情浴会の記録第28回 前半は、辛抱の三十七分 『カメラを止めるな!』笑いたいしずく5
2022.07.09感情浴会の記録夜の丘から、次の町まで 『MOTHER2 ギーグの逆襲』を遊んだ第27回懐かしみたいしずく4
2021.08.28感情浴会の記録目を閉じて乗った列車 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を朗読で(第16回)静まりたいしずく4
2021.07.10感情浴会の記録七月の会 YOASOBI『THE BOOK』を、走る前に元気を出したいしずく3
2020.08.29感情浴会の記録第4回 明かりを消して、同時に再生 『リング』(ぞくっとしたい)ぞくっとしたいしずく4
2020.07.26感情浴会の記録観る会なのに、読んできた夜 第3回『夏の庭 The Friends』懐かしみたいしずく4
よく合う気持ち
この場面で浸かられることの多い気持ちです。言葉を選ぶと、気持ちの辞典に移ります。
