この場面について
新しい生活の始まりは、期待と心細さが同じくらいの重さで胸に乗っています。見知らぬ街、慣れない部屋、まだ名前を覚えきれない人たち。楽しみなはずなのに、夜になると急に不安が大きくなることもあります。
この場面の感情浴では、同じように新しい場所で踏ん張る人物の物語がよく効きます。うまくいかない日が続いても、少しずつ居場所ができていく過程を見届けると、自分もきっと大丈夫だと思えてきます。また、以前から好きだった作品を浴び直して、変わらない自分を確かめるのもよい方法です。
新しい生活の始まりの特集
メンバーが、この場面で実際に手に取った作品を持ち寄りました。
新しい生活の始まりに浸かった作品
この場面で記録された12作品を、しずくの多い順に並べています。しずくの数は、心が動いた大きさの目安です。

四十年ぶんの、水車の音 津村記久子『水車小屋のネネ』
閉じたあと、しばらく膝に置いていた

音が消えた数十秒に、家族の席へ座らされる 『コーダ あいのうた』
洗いものの手が止まりました

最終回の一つ前で、画面がにじんで見えなくなった 『宇宙よりも遠い場所』
息ができなくなった
名前も知らない誰かと、山を目指した二時間 『風ノ旅ビト』
コントローラーを置いた

半年かけて、あんぱんを一個食べきった 連続テレビ小説『あんぱん』
最終週は朝から効いた

語り手の声が、ずっと少しだけ笑っている 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
声に出して読みたくなった

『BLUE GIANT』の河原には、雪が降っていた
指が勝手に動いた

梅酒で酔った夜から、四人目の妹になる 吉田秋生『海街diary』
梅の実の色がしみた

卵ひとつの重さを、十五巻かけて量りなおす 荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』
卵を割る前に手が止まった

明け方の渋谷が青く見えた日から 『ブルーピリオド』
背中が熱くなった

炊きたてのごはんのような主人公に、ほっぺたがゆるむ 高松美咲『スキップとローファー』
ほっぺたがゆるみました

半年ぶんの朝の、最初の一分 米津玄師「さよーならまたいつか!」
曲のあとの一呼吸が残りました
ほかの記録
感情浴会の記録や読みもののなかで、この場面にふれたものです。
2026.03.22感情浴会の記録第71回 河原で新聞を読む人から 『虎に翼』背中を押されたい
しずく4
2024.04.20感情浴会の記録『成瀬は天下を取りにいく』と、デパートの地下の匂い(第48回)背中を押されたいしずく4
2024.02.17読みもの「ちょっとだけ」を、上の子に読んだ夜優しくなりたい・救われたい・泣きたいめじろ2023.04.15感情浴会の記録第36回 同じ人生を、もう一周 『ブラッシュアップライフ』やり直したくなりたいしずく4
2023.01.22一滴舎の一年一滴舎の一年 二〇二二年 三年目の冬、初めて同じ部屋で懐かしみたい・誰かに会いたくなりたい灯2022.05.08感情浴会の記録五月の会の記録 『スキップとローファー』と、焼きそばパンときめきたいしずく4
2021.04.24感情浴会の記録第12回 朝の街が青かった話 『ブルーピリオド』山口つばさ背中を押されたいしずく5
よく合う気持ち
この場面で浸かられることの多い気持ちです。言葉を選ぶと、気持ちの辞典に移ります。
