先に白状しておく。小生は、一度も行ったことのない親戚の家を懐かしんだ。
八月の会は凪の進行で、細田守監督の劇場アニメ『サマーウォーズ』。全員で同じ時間に再生した。
数学の得意な高校生・健二が、あこがれの先輩・夏希に頼まれて、夏休みに長野の古い旧家へついていく。曾祖母の誕生日を祝うため、親戚が大勢集まっている。そこへ、世界中の人がつながっている仮想の空間が乗っ取られる騒ぎが重なる。
凪がこの映画を選んだ理由は、夏休みに親戚の家へ行った記憶がない人でも、なぜか懐かしくなる映画だから、とのことであった。小生はまさにその一人である。
凪自身がいちばん熱くなったのは、終盤の花札の場面。ここ、本当に、何回観ても背中が熱くなる、と言いながら、実際に声が裏返っていた。
小生がやられたのは、曾祖母が、古い電話で知り合いに次々と電話をかける場面である。一人ずつ、相手の名前を呼んで、短く声をかける。脚本として、あれほど地味で、あれほど効く場面はそうない。あとから舌がしびれてくる辛さであった。
はるまきは、大家族の食卓の場面を観ながら、自分の家の夏の台所を思い出したそうだ。ぬかは、あの食卓の料理を一品ずつ数えていた。いちょうは、家族みんなで観る映画だと思っていたのに、ひとりで観ても寂しくない、と言っていた。
余談を一つ。この夏、しずく通信の前号で知らせたとおり、これまでの記録をひとつの場所にまとめる準備を進めている。小生も古い会の記録を読み返しているが、読み返すと、親戚の家のアルバムをめくっているような気持ちになる。今回のテーマに、妙に合っていた。
次回は九月。灯の進行で、小説を読む。テーマは「癒されたい」。
(記録:タカノツメ)