この気持ちについて
元気を出したい日は、元気がない自覚がある日です。落ち込むほどではないけれど、体も気持ちも重く、何かを始める気になれない。そこで必要なのは、強い励ましよりも、立ち上がるきっかけになる小さな弾みです。
この気持ちの感情浴では、明るさと軽さを大切にします。大きな試練を乗り越える話は、弱っているときにはかえって重く感じられることがあります。それより、登場人物がちょっとした困りごとを笑いながら切り抜けていく話や、音楽が鳴り出すと自然に体が動く作品のほうが、今日の元気に効きます。
映画『天使にラブ・ソングを…』は、行き場をなくした歌手が修道院の聖歌隊を変えていく物語で、歌の場面が来るたびに気持ちが持ち上がります。有川浩の小説『阪急電車』は、一本の路線に乗り合わせた人たちが少しずつ前を向いていく短い話の連なりで、読み終えると外に出たくなります。ゲームなら『星のカービィ』のシリーズのように、明るい色と音楽で気持ちを軽くしてくれるものが向いています。
元気の感情浴は、朝か昼がおすすめです。夜に浸かると、その元気が眠りの邪魔をすることがあります。
元気を出したいときの作品
この気持ちで記録された11作品です。しずくの数は、心が動いた大きさの目安で、作品の出来を採点したものではありません。

いや、ほんとに、こういう職場があったらいいのに 『夜明けのすべて』
洗濯物をたたむ手が止まった

段ボール箱の中から聞こえたギター 『ぼっち・ざ・ろっく!』
箱の中の音で座り直した

朝の体育館って、こんなに光ってたっけ 『アオのハコ』
一話目を三回リピートした

半年かけて、あんぱんを一個食べきった 連続テレビ小説『あんぱん』
最終週は朝から効いた

語り手の声が、ずっと少しだけ笑っている 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
声に出して読みたくなった

元夫が三人、みんなちょっとずつ好きになっちゃう 『大豆田とわ子と三人の元夫』
最終回のあと、台所で立ったまま

炊きたてのごはんのような主人公に、ほっぺたがゆるむ 高松美咲『スキップとローファー』
ほっぺたがゆるみました

半年ぶんの朝の、最初の一分 米津玄師「さよーならまたいつか!」
曲のあとの一呼吸が残りました

明るすぎる曲を、夜勤明けの国道で 藤井風「きらり」
歩く速さが少し変わった

夜勤明けに、小説でできた音を YOASOBI『THE BOOK』
足取りが少し速くなった

洗濯物をたたみながら、にやけてしまうドラマ 『逃げるは恥だが役に立つ』
頬がずっとゆるんでた
この気持ちになれる場面
元気を出したい作品が、どんな時によく浸かられているか。場面ごとに、作品と特集を束ねています。
近くにある気持ち
元気を出したい気持ちのとなりにある言葉です。少し違う角度から浸かりたいときに。