この気持ちについて
やり直したくなりたい、という気持ちは、後悔とは少し違います。過去を悔やむのではなく、もう一度始めてみようという気持ちを取り戻したい。年の始めや誕生日、季節の変わり目のように、区切りの前後で求められることの多い気持ちです。
この気持ちの感情浴では、時間を巻き戻したり、人生の岐路に立ち返ったりする物語がよく選ばれます。作品の中の人物が過去の選択をもう一度見つめ直す姿を見ていると、自分の中の小さな「もしも」にも向き合う勇気が湧いてきます。そしてたいていの作品は、過去を変えることより、これからをどう生きるかに答えを置いています。
映画『恋はデジャ・ブ』は、同じ一日を繰り返すことになった男性が、少しずつ自分を変えていく物語です。重松清の小説『流星ワゴン』は、人生に行き詰まった男性が、過去の分かれ道をもう一度たどり、同じ年頃の父親と向き合います。三部けいの漫画『僕だけがいない街』は、過去へ戻る力を持つ主人公が、取り返しのつかなかった出来事にもう一度挑みます。
この感情浴を終えたら、明日からひとつだけ変えることを書き出してみてください。やり直しは、たいてい小さなことから始まります。
やり直したくなりたいときの作品
この気持ちで記録された7作品です。しずくの数は、心が動いた大きさの目安で、作品の出来を採点したものではありません。

遅すぎるなんて、誰が決めたんだろう つるまいかだ『メダリスト』
見開きのたびに息を止めた

雨の田んぼ道で跳ねる、あのコマのこと 藤本タツキ『ルックバック』
見開きで本を閉じた

頁の上で、ピアノが鳴っていました 恩田陸『蜜蜂と遠雷』
頁をめくる指がふるえた

消す手術は一晩で終わる。消えないものの話 ミシェル・ゴンドリー監督『エターナル・サンシャイン』
缶コーヒーを開けたまま、飲まなかった

別れた二人が、同じ食卓で言い合う冬 坂元裕二脚本『最高の離婚』
笑った回数より、黙った時間のほうが長い

明け方の渋谷が青く見えた日から 『ブルーピリオド』
背中が熱くなった

泣けなかった、でもずっと考えている 宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』
まだ考え中
この気持ちになれる場面
やり直したくなりたい作品が、どんな時によく浸かられているか。場面ごとに、作品と特集を束ねています。
近くにある気持ち
やり直したくなりたい気持ちのとなりにある言葉です。少し違う角度から浸かりたいときに。