この気持ちについて
ぞくっとしたい、というのは不思議な欲求です。怖いものは本来避けたいはずなのに、安全な場所にいると分かっていると、人はあえて背筋の冷える体験を求めます。夏の夜に怪談を聞きたくなるのも、同じ気持ちから来ているのでしょう。
この気持ちの感情浴は、緊張と解放の繰り返しです。何かが起きそうな静けさで息を詰め、正体が見えた瞬間に体がこわばり、作品が終わったところで一気に力が抜ける。その落差が、日常のだるさを吹き飛ばしてくれます。
鈴木光司の小説『リング』は、ありふれた道具が恐怖の入口になるという発想で、読後しばらく身の回りのものが違って見えます。伊藤潤二の漫画『うずまき』は、ある形にとりつかれていく町を描き、じわじわと理屈の外へ連れ出していく怖さがあります。アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『サイコ』は、見せないことで怖がらせる演出の手本として、今も新しく観る人をぞくっとさせています。
怖さへの強さは人によって大きく違います。ラルムの記録では、この気持ちの作品に、どのくらい怖いかの目安も書き添えるようにしています。
ぞくっとしたいときの作品
この気持ちで記録された8作品です。しずくの数は、心が動いた大きさの目安で、作品の出来を採点したものではありません。
この気持ちになれる場面
ぞくっとしたい作品が、どんな時によく浸かられているか。場面ごとに、作品と特集を束ねています。
近くにある気持ち
ぞくっとしたい気持ちのとなりにある言葉です。少し違う角度から浸かりたいときに。


