ラルム / 気持ちの辞典 / 寂しさに浸りたい

さびしさにひたりたい

寂しさに浸りたい

寂しさを追い払わず、しばらくその中に座っていたい夜に

まとまり
涙と余韻
記録した作品
12 作品
よく書く人
凪・オト・栞

この気持ちについて

寂しさは、ふつうは遠ざけたい気持ちです。それでも、あえて寂しさに浸りたくなる夜があります。無理に明るくしようとするより、寂しいものは寂しいと認めて、しばらくその中に座っていたい。そういう夜には、同じ温度の作品が隣にいてくれることが支えになります。

この気持ちの感情浴は、慰められることを目的にしません。作品の中にも寂しい人がいて、その人も特に救われないまま日々を続けている。それを眺めているうちに、自分の寂しさが特別なものではなく、多くの人が抱えてきたものだと分かってきます。

吉本ばななの小説『キッチン』は、ひとりになった主人公が台所という場所に寄りかかりながら、喪失のあとの時間を過ごしていく物語です。ソフィア・コッポラ監督の映画『ロスト・イン・トランスレーション』は、異国のホテルで眠れない二人の、言葉にならない孤独を静かに映します。音楽なら、サティの『ジムノペディ』のように、音と音のあいだの空白が寂しさの形をしている曲がよく合います。

寂しさへの感情浴は、深く沈みすぎないことも大切です。浸かったあとは温かい飲み物を用意するなど、戻り道を決めておくと安心です。

この気持ちになれる場面

寂しさに浸りたい作品が、どんな時によく浸かられているか。場面ごとに、作品と特集を束ねています。