この気持ちについて
ここで言う「ふるえる」は、怖さではなく感動のふるえです。美しい演奏を聴いたとき、長い物語が大きな円を描いて閉じたとき、腕に鳥肌が立ち、喉の奥が熱くなる。自分よりずっと大きなものに触れた瞬間の、体ごとの反応です。
この気持ちは、泣きたいとも熱くなりたいとも少し違います。涙が出ることもありますが、それより先に、言葉を失ってただ受け止めるしかない時間が来ます。感情浴の中でも、いちばん「浴びる」という言葉が似合う気持ちかもしれません。
恩田陸の小説『蜜蜂と遠雷』は、ピアノコンクールを舞台に、音を文字で聴かせるという難しいことをやってのけ、演奏の場面ごとに読み手をふるわせます。映画『ショーシャンクの空に』は、長い年月の忍耐の末に訪れる解放の場面で、多くの人の記憶に残ってきました。音楽では、ベートーヴェンの『交響曲第九番』のように、最後の楽章へ向けて長く積み上げていく曲が、この気持ちを最もまっすぐに連れてきます。
ふるえる感情浴には、途中で遮られない環境が欠かせません。音楽ならできるだけよい音で、映画なら部屋を暗くして、最後まで通して浴びてください。
ふるえたいときの作品
この気持ちで記録された10作品です。しずくの数は、心が動いた大きさの目安で、作品の出来を採点したものではありません。
この気持ちになれる場面
ふるえたい作品が、どんな時によく浸かられているか。場面ごとに、作品と特集を束ねています。
この気持ちの特集
メンバーが作品を持ち寄った特集です。
近くにある気持ち
ふるえたい気持ちのとなりにある言葉です。少し違う角度から浸かりたいときに。

