ラルム / 作品の記録

2022.05.22媒体 ドラマ記録 はるまき

『MIU404』 メロンパン号に乗ったつもりで、最終話まで走っちゃいました

翌朝まで胸が熱かった
『MIU404』の表紙
Amazon で見る

家族がみんな寝たあと、揚げものの油を片づけながら、第1話を流しました。

油こし紙をたたむ手が、途中で完全に止まってました。気づいたら、流し台にもたれて画面を見てたんです。

『MIU404』は、警察の「機動捜査隊」を描いたドラマです。事件が起きたとき、真っ先に現場へ駆けつけて、初動の捜査をする人たち。二十四時間で交代する、いわば警察の救急隊みたいな部署なんですよね。

組まされたのは、野生の勘と体力で動く伊吹と、理屈で動いて誰も信用していない志摩。性格が真逆の二人です。そして、ちゃんとした覆面の車が足りなくて、二人が乗ることになったのが、移動販売のパン屋さんの車。通称、メロンパン号です。

いや、ほんとに、この設定だけでずるいですよね。

はるまきが好きな回

ほとんどの回は、一話でひとつの事件が片づきます。

でも、すっきり片づくだけじゃないのが、このドラマなんです。事件を起こした人にも、巻きこまれた人にも、そこに至るまでの「分かれ道」がある。誰と出会ったか、誰に止めてもらえたか。そのたった一つの違いで、人の人生の行き先が変わってしまう。このドラマは、それを何度も何度も描きます。

はるまきがいちばん胸に来たのは、高校生たちの嘘の通報をめぐる回でした。いたずらみたいに始まったことが、どんどん取り返しのつかないほうへ転がっていく。伊吹と志摩が、その子たちの前で何を言うか。ここは観て確かめてほしいです。子どもを育ててる身としては、観終わったあと、しばらく二階の子ども部屋のほうを見てました。

志摩の過去が明かされる回も、忘れられません。いつも皮肉ばっかり言ってる人が、ほんとは何を抱えてたのか。台所で言うと、鍋の底にこびりついたままのものを、やっと一晩かけてふやかすような回です。

二人の掛け合い

それから、伊吹と志摩の、くだらない言い合いです。

車の中で、どうでもいいことで張り合う。伊吹が野生の勘で突っ走って、志摩が理屈で止めて、結局二人とも走り出す。この掛け合いがあるから、重たい回でも、はるまきは最後まで観られました。重たい煮物の横に、浅漬けがちょこんと置いてある感じです。

すっきりする、の意味

このドラマの「すっきり」は、悪い人がやっつけられるすっきり、とはちょっと違うんです。

伊吹と志摩は、間に合わないこともある。助けられないこともある。でも、間に合うかもしれない誰かのために、二人はまた車に乗る。その背中を観てると、こっちも、明日もう一回ちゃんとやろう、って思えるんですよね。

しずくは四つにしました。胸が熱くなって、翌朝までそれが残ってました。

誰に

  • 仕事で「間に合わなかった」ことを、ずっと引きずってる人
  • 相棒とか、同僚とうまくいってない人
  • 刑事ものは怖そう、と思ってる人。暗い回もありますけど、二人の掛け合いで何度も笑えます

いつ

一話ずつ、疲れた平日の夜に。……と言いたいところなんですけど、正直に書くと、はるまきは週末に止まらなくなって、一晩で三話観ちゃいました。一気見した翌朝はいつも後悔するんですけど、この作品のときだけは、あんまり後悔しませんでした。

休日の朝に最終話を観るのもおすすめです。観終わってすぐ、外を走りたくなりますよ。

作品データ

項目 内容
作品名 MIU404(テレビドラマ)
脚本 野木亜紀子
出演 綾野剛、星野源
媒体 ドラマ
放送 2020年6月〜9月
話数 全11話
主題歌 米津玄師「感電」

近い気持ち

会でこのドラマの話をしたとき、ヤギが、ゲームの分岐みたいだ、と言ったんです。はるまきには、それがいちばん分かりやすい説明でした。

(記録:はるまき)

作品の記録に戻る