結論から言う。小生は猫に負けた。
先月入ったばかりの小生が、今月の記録を受け持つことになった。至らぬところはご容赦願いたい。
テーマは「誰かに会いたくなりたい」。進行の灯が選んだのは、有川ひろの小説『旅猫リポート』である。
青年サトルが、愛猫のナナを車に乗せて、昔の友人たちを一人ずつ訪ねていく。ナナを引き取ってくれる人を探す旅なのだが、なぜ手放さなければならないのか、その理由は少しずつしか明かされない。そして語り手の多くは、猫のナナなのである。
小生は、とぼけた猫の語り口に油断していた。辛さの控えめな麺だと思って啜ったら、あとから舌がしびれてくる。そういう本であった。
会の終わりに、灯が一人ずつ、読みながら会いたくなった人がいたかを聞いた。その答えを小生がまとめておく。
- 灯 読み終えた夜、実家に電話をかけようか少しだけ迷った。結局かけなかったが、たぶん年末にはかける
- 凪 小学校の同級生が、いまどうしているかを考えてしまった。旅のはじめに幼なじみを訪ねるくだりで、喉がつまったそうだ
- ロク 猫の目の高さで書かれていることに、最後まで驚いていた。車の窓から見える景色が低い、と
- 栞 ナナの語りの調子が、ある場面から少しだけ変わる。その順番が残った、と
- はるまき 猫を飼ったことがないのに、読み終えてから近所の猫に会釈するようになった
小生は、最後の章で負けた。何に負けたのかは、ここには書かない。読めば分かる。
十二月は、しずく大賞の投票の月でもある。会のあと、ロクから投票の案内が回ってきた。小生にとっては初めての大賞である。
次回は一月。ロクの進行で、アニメ映画を取り上げる。テーマは「考え込みたい」。
(記録:タカノツメ)