試験が終わった週末、洗濯物をたたみながら、一話目をなんとなく流しました。気づいたら、たたむ手が止まってて、そのまま六話まで観てました。
練習しない軽音部
舞台は、女子高の軽音部です。
前の年の部員が全員卒業して、部員がいなくなってしまった軽音部。廃部にならないように、律と澪と紬の三人が、あと一人を探しています。そこへ、軽音楽を「軽い音楽」だと思っていた唯が、ほとんど勘違いで入部してくる。楽器にさわったこともないのに。
そこから始まるのは、ほとんど、お茶の時間です。
部室にはいつもお菓子と紅茶があって、四人はまずそれを食べる。しゃべる。笑う。そのあとで、思い出したように少しだけ練習する。正直、練習してる時間より、お茶の時間のほうが長いかも。
唯がギターを買うまで
唯は、ギターを持っていません。
みんなでアルバイトをしてお金をためて、楽器屋さんに行く回があります。唯がひと目で好きになったギターは、ちょっと高すぎる。そこからの、四人の行ったり来たりが、私は好きでした。
買ったギターに名前をつけて、ずっと抱えてる唯を見てると、なんか笑っちゃう。でも、自分にもそういうものがあったなって、少しだけ思い出しました。高校のとき、部活で使ってたものを、最初の日に家まで持って帰ったこと。
四人で観ていたころ
このアニメは、高校のころに一度観ています。
部活の友だち四人で、夜に通話をつないで、同じ回を同時に再生する。それが、私たちのいつものやり方でした。『けいおん!』は、その同時視聴の中で、いちばん長く続いた作品です。
あのころは、四人とも、ずっと笑ってました。律が何か言って、澪が怒って、紬がにこにこして、唯がのんびりしてる。画面の中の四人と、通話の中の四人が、同じタイミングで笑う。だから、内容よりも、そのときの笑い声のほうを覚えてます。
いま、ひとりで観なおすと、画面の中は何も変わってないのに、通話の向こうが静かです。四人とも別々の大学に行って、全員でそろうことは、もうあまりありません。
それで、思ったよりずっと、会いたくなりました。
学園祭の回
六話が、一年目の学園祭の回です。最初の夜に、たたむ手が止まったところ。
ステージに立つまでの四人は、ずっとばたばたしていて、ぜんぜん準備ができてない。なのに、演奏が始まると、ちゃんとバンドになってる。お茶ばっかり飲んでたはずなのに、いつのまにか。
うちの大学も、来月が学園祭です。サークルの友だちは準備で忙しそうで、私は少しだけ手伝ってます。部室の机にお菓子が積んであるのを見たとき、あ、って思いました。だから、今観なおしたのかもしれません。
最後の回は、あまり言わないでおきます。二年目の学園祭の前にちょっとした騒ぎがあって、そのあとのステージが、私はいちばん好きです。観終わって、グループに「けいおん観てた」とだけ送りました。
浴びてほしい人
- 部活やサークルの、何もしてない時間がいちばん楽しかった人
- 昔いっしょに笑ってた友だちと、最近ちゃんと話してない人
- 大きな事件が起きない話で、ゆっくり笑いたい人
浴びる時間
秋の、ひとりの週末に。一話が短いので、気づいたら何話も進んでるかも。学園祭の季節に、一年目の学園祭の六話まで、まず一気にどうぞ。
作品データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | けいおん!(テレビアニメ第1期) |
| 放送 | 2009年4月〜6月 |
| 話数 | 全12話(ほかに番外編) |
| 原作 | かきふらい(芳文社『まんがタイムきらら』) |
| 監督 | 山田尚子 |
| シリーズ構成 | 吉田玲子 |
| 制作 | 京都アニメーション |
| 続き | 第2期『けいおん!!』(2010年)、『映画けいおん!』(2011年) |
近い気持ち
- 誰かに会いたくなりたい……静かになった、通話の向こう
- 笑いたい……練習より長い、お茶の時間
- 懐かしみたい……四人で同時に再生していたころ
会では取り上げていません。凪さんに話したら、第2期も観てって言われました。四人に声をかけて、次は同時視聴にするかも。
