ラルム / 読みもの

2021.01.24連載 一滴舎の一年文 灯

一滴舎の一年 二〇二〇年 画面の前で始まった八回

掲載にあたって この回は、はじめ会員向けのやりとりに流した文を、そのまま移しています。

日曜の午後三時です。ストーブの上のやかんが、さっきから小さく鳴っています。

年が明けたので、去年のことを一度、数えておこうと思いました。世話役として、これから毎年一月に書くつもりです。続くかどうかは、たぶん、来年のわたしが決めます。

八回の会

去年の五月、画面越しの会を始めました。第一回は、凪が選んだテレビアニメの一話を、それぞれの部屋で同じ時間に再生した夜です。そこから十二月の第八回まで、八回。一度も休まずに、毎月開けました。

最初の夜は三人でした。十二月の絵本の回には、七人全員が画面に並びました。はるまきが読む声に合わせて、それぞれの手もとで同じ頁をめくった夜です。

進行は、わたしが四回。凪、ロク、栞、はるまきが一回ずつです。

作品は、アニメ、漫画、小説、映画、音楽、絵本。八回で、六つの媒体になりました。同じ作品は、まだ一度も出ていません。

通信と記録

七月に、会報の「しずく通信」を創刊しました。十月に第二号。編集は、はるまきです。どちらも PDF で、メンバーに回しました。創刊号には十一が空の話を、第二号にはロクと栞が寄稿してくれました。

会のあとに一人で書く作品の記録は、七月から十二月までで八本。凪の漫画から始まって、鹿の子の小説で年が終わりました。どれもまだ、書いた人それぞれの場所に置いてあります。

人のこと

五月に栞、六月にはるまき、十月に鹿の子が加わりました。はじまりの三人と十一を合わせて、年の終わりには七人です。離れた人はいません。

そして今月、ヤギが加わりました。八人になります。

今年やりたいこと

先週の通信でお知らせしたとおり、毎月の会を「感情浴会」と呼ぶことにしました。書きためている記録には「ラルム」という名前をつけました。名前がつくと、少しだけ背筋が伸びます。

今年は、年の終わりに、その年いちばん心が動いた作品を、みんなで選んでみたいと思っています。やり方も名前も、まだ決めていません。

会って話すことは、たぶん、しばらくありません。住んでいる場所がばらばらだからです。画面の中で、同じ時間に同じものを浴びる。いまは、それで十分だと思っています。

(灯)

読みものに戻る