読み終えて最初にしたことは、土鍋でお粥を炊くことでありました。
選んだ本
今月は灯の進行で、小川糸の小説『ライオンのおやつ』を読みました。テーマは「癒されたい」。
三十三歳の雫は、病気で残された時間が長くないと知り、瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」で最後の日々を過ごすことにします。その家では、毎週日曜日に、入居している人がもう一度食べたいおやつをリクエストでき、その中からひとつが選ばれて、みんなで味わいます。
死を前にした人の話なのに、読んでいるあいだ、ふしぎと体があたたかい。灯は、選んだ理由をそう話していました。重い話を選ぶときの灯は、いつも少しだけ声が小さくなります。
それぞれのおやつ
会の後半、灯が、自分なら日曜日に何をリクエストするか、ひとつだけ挙げてください、と言いました。本の感想より先に、こちらの話のほうが長くなってしまいました。
- 灯 祖母がつくってくれた、甘くない蒸しパン
- 凪 部活の帰りに友だちと分けた肉まん
- ロク 夜勤明けに飲んだ缶コーヒーと、コンビニのプリン
- はるまき 子どもが初めてひとりで焼いてくれた、少し焦げたホットケーキ
- 草餅 春先に家で蒸した草餅(名前のとおりです、と照れていました)
- こはぜ 縁側で食べた、冷やした白玉
- わたくし ぬか漬けを添えた、白いごはん。おやつではないと叱られました
話しているうちに、何人かは泣いていて、何人かは笑っていて、どちらも同じくらい癒されていたように思います。おやつの話は、その人の思い出の話でした。
お知らせと次回
ひとつお知らせを。これまでの会の記録は、今月の終わりからひとつの場所にまとめて読めるようになります。しずく通信の第26号は、そこで十月のはじめに出る予定です。
十月の会の作品は、凪がいま候補を三つにしぼっているところです。決まりしだい、いつものように灯から連絡があります。
(記録:ぬか)