年末のバイト帰り、電車の中で配信のページをひらいたのが、この映画との出会いでした。
今月ははるまきの進行で、松居大悟監督の『ちょっと思い出しただけ』。第2回のしずく大賞で、映画部門に選ばれた作品です。私が入るより前のことなので、観るのは初めてでした。
照明の仕事をしている照生と、タクシーの運転手をしている葉。ふたりの恋を、同じ日付の一日だけ、一年ずつさかのぼって見せていく映画です。最初に見るのは、もう別れたあとのふたり。そこから、だんだん出会った頃へ戻っていきます。
はるまきがこの映画を選んだのは、やり直したくなりたい回だから、だそうです。やり直せないことが分かっているのに、やり直したくなる。その感じがいちばんよく出ている、と。
大賞の年に観た人たちは、四年ぶりに観直していました。凪は、前に観たときは葉の側で泣いたのに、今回は照生の側で泣いた、と言っていました。ロクは、同じ日付なのに、画面の端に映っている部屋の物が少しずつ違うのを、今回はずっと追っていたそうです。
私は、はじめて観たので、最初のふたりがなぜ別れたのか、最後まで気になって仕方がなかったです。でも、さかのぼるほど分からなくなる。分からないまま、なんだか電車の窓に映った自分の顔を見ているような気持ちになりました。
終わってから、気づいたら二回目を再生してました。二回目のほうが、たぶん泣いてます。
次回は二月。草餅の進行で、漫画の回です。テーマは「ひとりを味わいたい」。
(記録:いちょう)