三時間近い映画を観に行くために、前の晩にカレーを大鍋で煮込んでおきました。子どもたちの夕ごはんと、次の日の昼ごはんのぶんまで。いや、ほんとに、それくらいしないと観に行けない長さなんですよね。
今月はロクの進行で、李相日監督の映画『国宝』を取り上げました。この夏に公開されて、まだ映画館で上映が続いています。それぞれ観てから、画面越しに集まりました。
任侠の家に生まれた喜久雄は、父を亡くしたあと、上方歌舞伎の名門の当主に引き取られます。その家の跡取りの俊介と、兄弟のように育ちながら、女形として芸を競っていく。何十年にもわたる話です。
はるまきがいちばんふるえたのは、ある事情で、喜久雄が思いがけず大きな舞台に立つことになる場面でした。幕が上がる前の、白く塗った顔の奥の目。そこから先は、ずっと腕に鳥肌が立ったままでした。
ロクは、要するに舞台の骨組みを裏側から見せる映画だ、と言っていました。楽屋、廊下、奈落。表の華やかさより、そっちのほうが長く目に残ったそうです。
タカノツメは、二人の関係が入れかわるたびに、脚本がしびれる、と三回くらい言っていました。こはぜは、舞台の上の声の変わり方の話をしていて、オトは、上映中ずっと、客席の自分の呼吸が浅くなっていたのに気づいた、と。
終わってから、何人かが、もう一回観に行くかもしれない、と言っていました。はるまきは、次もカレーです。
次回は十月。ヤギの進行で、ゲームの回。テーマは「誰かに会いたくなりたい」です。
(記録:はるまき)