第1巻の、リンクの端でひとり練習してきた小さな女の子が、はじめて誰かに見せるために氷の上へ出ていく場面から話させてください。
今月の顔ぶれ
その前に、今月は書いておきたいことがあります。一年休んでいたオトが戻ってきて、いちょうが新しく加わって、久しぶりに十三人全員の顔が画面に並んだんです。画面が小さな四角でいっぱいになって、誰がしゃべっているのかを探すのに毎回ちょっと時間がかかるくらいでした。
いちょうは大学生で、アニメと音楽が得意だそうです。自己紹介のとき、このメダリストもアニメから入りました、と言ったので、進行の草餅が、今日は漫画の話をするから、とすかさず返していて、それだけで一気に場がほどけました。
オトは、ただいま、とだけ言って、あとは静かに聞いていました。
選んだ作品
草餅が選んだのは、つるまいかだの漫画『メダリスト』です。フィギュアスケートの話で、この夜は第1巻と第2巻までと決めました。
スケートを始めるには遅いと言われる年齢の少女・結束いのりと、選手としての夢を途中で終えた青年・明浦路司が出会って、コーチと教え子になる。始めるのが遅かった二人が、それでも上をめざす話なんです。
心が動いた場面
自分は、冒頭に書いたいのりが氷の上に出ていく場面で、もう背中が熱くなっていました。誰にも期待されてこなかった子が、一人だけ自分を見てくれる大人を見つけて、その人のために跳ぼうとする。ここ、本当に、何回読んでも最後の一周みたいに息が上がります。
草餅は、司がこの子のコーチになると決める見開きを挙げて、そこで一度本を閉じた、と言いました。ヤギは、司の側で読んでいたそうで、自分が教える側になったときのことを考えてしまった、と。いちょうは、アニメで観ていた場面を漫画で読み直したら、コマの中の顔のほうが近く感じた、と話していました。
次回
五月は灯の進行で、小説を読みます。テーマは「考え込みたい」。記録は、戻ってきたオトが受け持つことになりました。
(記録:凪)