ラルム / 感情浴会の記録

2021.05.16第13回テーマ 切なくなりたい媒体 映画記録 はるまき進行 十一

十一の最後の進行で、観てきた恋の話を 第13回『花束みたいな恋をした』

取り上げた作品 花束みたいな恋をした(映画・土井裕泰監督・坂元裕二脚本・2021年)

帰り道で思い出した

平日の昼間、下の子をあずけて、ひとりで映画館に行きました。映画館でひとりで映画を観るのは、たぶん四年ぶりくらいです。帰りのバスでは、窓の外の、どこにでもある商店街の看板ばかり見ていました。

五月の感情浴会は、坂元裕二脚本、土井裕泰監督の映画『花束みたいな恋をした』です。一月の公開から、まだ映画館での上映が続いていたので、今回はそれぞれ観てきてから、日曜の夜に画面越しで話しました。

進行は十一でした。そして、十一が進行をするのは、この回が最後になりました。就職して、夜の時間がなかなか取れなくなったからです。会の最後に本人から短くあいさつがあったので、そのことはまた会報に書きます。

終電を逃したことで出会った二人が、好きな本や音楽がぴったり同じだったことから恋をして、一緒に暮らしはじめる。そこから五年間の話です。

十一は、はじめのほうで二人が並んで歩く夜道の場面を、一枚の絵として観た、と言っていました。二人のあいだの隙間が、あとの場面になるほど広く撮られていく、という話。言われてみれば、ほんとにそうなんですよね。

栞は、同じものを好きだった二人が、同じものを好きなままではいられなくなる、その順番が残ったそうです。ロクは、ファミレスの場面の話だけをしました。短く、あそこは二人の周りの席の客まで全部が効いている、と。

はるまきが切なくなったのは、仕事で疲れて帰ってきた人と、それを待っていた人が、同じ部屋の中で違う方向を向いている場面でした。どちらも悪くないのに、ってやつです。台所に立っているときに、ふっと思い出して、鍋の火を弱めました。

めじろは、若い頃の自分に観せたかったのか、観せたくなかったのか、まだ分からない、と言っていました。

来月からは、十一の名前が進行役の欄に入らなくなります。会の最後、十一が、画面の向こうで少しだけ逆光の窓を背にして、ありがとうございました、と頭を下げていました。

次回は六月。進行はロクで、ほどけたい回です。記録はめじろが初めて担当します。

(記録:はるまき)

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