平日の昼間、下の子をあずけて、ひとりで映画館に行きました。映画館でひとりで映画を観るのは、たぶん四年ぶりくらいです。帰りのバスでは、窓の外の、どこにでもある商店街の看板ばかり見ていました。
五月の感情浴会は、坂元裕二脚本、土井裕泰監督の映画『花束みたいな恋をした』です。一月の公開から、まだ映画館での上映が続いていたので、今回はそれぞれ観てきてから、日曜の夜に画面越しで話しました。
進行は十一でした。そして、十一が進行をするのは、この回が最後になりました。就職して、夜の時間がなかなか取れなくなったからです。会の最後に本人から短くあいさつがあったので、そのことはまた会報に書きます。
終電を逃したことで出会った二人が、好きな本や音楽がぴったり同じだったことから恋をして、一緒に暮らしはじめる。そこから五年間の話です。
十一は、はじめのほうで二人が並んで歩く夜道の場面を、一枚の絵として観た、と言っていました。二人のあいだの隙間が、あとの場面になるほど広く撮られていく、という話。言われてみれば、ほんとにそうなんですよね。
栞は、同じものを好きだった二人が、同じものを好きなままではいられなくなる、その順番が残ったそうです。ロクは、ファミレスの場面の話だけをしました。短く、あそこは二人の周りの席の客まで全部が効いている、と。
はるまきが切なくなったのは、仕事で疲れて帰ってきた人と、それを待っていた人が、同じ部屋の中で違う方向を向いている場面でした。どちらも悪くないのに、ってやつです。台所に立っているときに、ふっと思い出して、鍋の火を弱めました。
めじろは、若い頃の自分に観せたかったのか、観せたくなかったのか、まだ分からない、と言っていました。
来月からは、十一の名前が進行役の欄に入らなくなります。会の最後、十一が、画面の向こうで少しだけ逆光の窓を背にして、ありがとうございました、と頭を下げていました。
次回は六月。進行はロクで、ほどけたい回です。記録はめじろが初めて担当します。
(記録:はるまき)