ラルム / 感情浴会の記録

2026.04.11第72回テーマ ときめきたい媒体 アニメ記録 草餅進行 いちょう

第72回 はじめて進行した春に 『アオのハコ』第1話〜第3話

取り上げた作品 アオのハコ(テレビアニメ・2024年)

胸がいっぱいになった

朝の体育館。窓から斜めに入る光の中で、ボールがひとつだけ跳ねている。

今月は、いちょうが初めて進行を受け持った。去年の春に入って、ちょうど一年。最初のあいさつで声が少しふるえていて、それを隠そうとして早口になって、みんなが画面の向こうでにこにこしているのが分かった。

いちょうが選んだのは、テレビアニメ『アオのハコ』。第1話から第3話までを、同じ時間に再生した。

バドミントン部の猪股大喜は、毎朝体育館で先に練習している一つ上の先輩、女子バスケ部の鹿野千夏に片思いしている。ある事情で、その千夏先輩が大喜の家で一緒に暮らすことになる。

うちがいちばんときめいたのは、朝の体育館で、ふたりがそれぞれの練習をしている場面だった。同じ場所にいるのに、話はしない。ボールの音と、シャトルの音だけが交互に聞こえる。若葉色の光の中で、その距離がちょうどいいんだ。

凪は、大喜が千夏先輩に追いつきたくて練習に打ちこむところで、背中が熱くなったと言っていた。はるまきは、同じ家で暮らしているのに、台所ですれ違うだけでどぎまぎしている大喜に、何度も声を出して笑っていた。

いちょうは、通学の電車で主題歌をずっと聴いていたらしい。進行の最後に、この作品を選んだ理由を聞かれて、一年前の自分がいちばんときめいたから、と答えた。……それ以上の理由はいらないと思った。

終わってから、ロクが、進行、よかった、とだけ言った。いちょうはそれを聞いて、少しだけ泣きそうになっていた。

次回は五月。ロクの進行で、映画を取り上げる。テーマは「すっきりしたい」。

(記録:草餅)

気持ちときめきたい

場面春

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