ラルム / 感情浴会の記録

2026.02.08第70回テーマ ひとりを味わいたい媒体 漫画記録 オト進行 草餅

平屋の縁側で 第70回『ひらやすみ』

取り上げた作品 ひらやすみ(漫画・真造圭伍・2021年〜)

ほどけた

午前四時。
帰りの道で、コンビニの明かりだけがついていた。
家に着いて、着替えもせずに第2巻を読み終えた。

今月の進行は草餅。
真造圭伍の漫画『ひらやすみ』。
第1巻と第2巻まで。

二十九歳のフリーター、生田ヒロト。
仲よくなったおばあちゃんから古い平屋を譲り受けて、ひとりで暮らしている。
そこへ、山形から出てきた従妹のなつみが転がりこむ。
大きな出来事は、ほとんど起きない。

草餅は、平屋の庭を描いたページで、一度本を閉じたと言った。
何もないのに、ずっと見ていられる、と。

灯は、少しだけ、ヒロトがうらやましい、と。
急がない人の毎日。

ぬかは、ヒロトの台所の場面ばかり覚えていた。

はるまきは、なつみの側で読んでいたらしい。
知らない町に出てきたばかりの、あの落ち着かなさ。
自分にもそういう春があった、と。

いちょうは、住んでいる町に平屋が一軒もないので、
縁側というものに一度座ってみたい、と言っていた。

ひとりを味わう回なのに、
この漫画のヒロトは、あまりひとりではない。
それでも、読んでいるこちらはひとりになれる。
夜明け前の街灯の下みたいな、静かなひとり。

二巻を読み終えて、窓を開けた。
朝の音が、少しだけ入ってきた。

次回、三月。
タカノツメの進行で、ドラマ。

(記録:オト)

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