窓の外の杭に、青鷺が一羽とまっている。うちの頭に残っているのは、その一枚だった。
今月はロクの進行で、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』。去年の夏に公開された映画で、夏のうちに観た人と、年末になってようやく観た人がいた。うちは後のほう。それぞれ映画館で観てから、画面越しに話した。
テーマは「考え込みたい」。ロクは最初に、今日は答えを出さない回にする、と言った。わからなかったところを持ち寄って、わからないまま帰る。そういう進め方だった。
話に出た問い
あの鷺は、味方だったのか
凪は最初から最後まで、あの鳥を信じていいのか迷っていたそう。ロクは、鷺の正体が見えた場面で、映画の骨組みが一度ひっくり返ったと言っていた。
眞人は、なぜ自分で自分を傷つけたのか
新しい学校で喧嘩をした帰り道に、眞人は石で自分の頭を打つ。栞はそこから先、ずっとそのことを考えながら観ていたらしい。答えはたぶん、終わりのほうにある。……でも、うちはまだ言葉にできない。
積み木は、何だったのか
塔の奥で、大叔父が積みつづけている石の積み木。灯は、自分が毎日やっていることに少し似ている、と言った。何かを毎日少しずつ積んで、崩れないように見張ること。それを聞いて、しばらく誰も何も言わなかった。
うちに残ったもの
うちは、炎の場面と、ヒミという少女が出てくる場面の色がずっと残っている。冬の夕焼けみたいな、赤と黒のあいだの色。コマとコマのあいだを読むみたいに、場面と場面のあいだで何度も立ち止まった。
会の最後に、ロクが「要するに」と言いかけて、やめた。要約できない映画だった、ということなんだと思う。
次回は二月。凪の進行で、テレビアニメを取り上げる。
(記録:草餅)