ラルム / 感情浴会の記録

2022.09.10第29回テーマ 考え込みたい媒体 アニメ記録 草餅進行 鹿の子

第29回 語り継ぐ側に立つ 『平家物語』(テレビアニメ)

取り上げた作品 平家物語(テレビアニメ・山田尚子監督・2021年)

見終えてから考えている

琵琶を抱えた女の子が、ひとりで川べりに座っている。空は薄い夕焼け色。その場面だけで、しばらく再生を止めていた……

この回のこと

九月の感情浴会。うちは今月から加わったばかりで、初めての会で初めての記録係になった。進行は鹿の子さん。作品はテレビアニメ『平家物語』。山田尚子監督で、去年の秋に配信が始まって、今年の一月からテレビでも放送された。全11話。

古典の『平家物語』を、琵琶を弾く少女の目を通して描いたアニメ。少女は、先のことが見える目を持っていて、平家の一族のそばで暮らしながら、その行く末を知ってしまっている。

全話をそれぞれ観てきて、当日は第1話と最終話を同じ時間に再生した。十一人のうち十人。オトは夜勤で欠席。

話したこと

鹿の子さんからの問いは、この物語は誰のために語られているのか、だった。

灯さんは、少女が最後にどこに立っているかを見れば分かる、とだけ言った。凪さんは、一族の若い子たちが無邪気に笑っている場面ほど苦しかった、と。先が見えている少女と同じ目で、観ている側も見てしまうから。

ロクさんは、画面の色の話をした。季節が進むごとに、背景の色が少しずつ抜けていくらしい。うちは気づかなかった。めじろさんは、子どもを寝かしつけながら観ていて、少女が幼い子と遊ぶ場面で手が止まったそう。

うちのこと

うちが考え込んだのは、最終話の、少女が琵琶を弾きはじめる前の一瞬。コマで言えば、見開きの前の、何も描いていない一コマみたいな時間だった。

知っている結末を、それでも語る。語るのは、変えられないものを、なかったことにしないためなんだと思う。鹿の子さんの問いの答えは、まだ出ていない。たぶん、来月も考えている。

次回

十月も鹿の子さんの進行で、小説。記録はオトさん。

(記録:草餅)

気持ち考え込みたい

場面秋

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