田んぼのあいだの一本道。夕方。少年と、丸い猫のようなもの。遠くに山。
その一枚で、この夜の半分は足りていたのである。
九月のみんなで観る会。テレビアニメ『夏目友人帳』。人には見えないものが見えてしまう少年が、祖母の遺した帳面をめぐって、妖たちに名前を返していく話。選んだのは凪。第1期から、凪の選んだ三話を続けて観た。全員そろって六人。
先月の『リング』のあと、今月は温度を下げたい、と凪。つまり、ぬるい湯。
ワタシが観ていたのは、ほとんど背景である。山の稜線。縁側に落ちる木の影。夏の終わりの、少し白っぽい空。人物が何も言わずに歩いている場面が多く、そのあいだ、景色が代わりに話している。妖が消えていく場面でも、空は穏やかなまま。悲しい場面を、明るい空の下に置く。その構図に、この作品のやさしさがあると思う。
ほかの人の話も少し。
灯は、少年が誰かのために走る場面より、走り終えて家に帰り、台所の明かりを見るところがいいと言った。凪は、何回観ても同じ話で喉がつまる、と。ロクは猫のようなものが好きらしい。理由は言わなかった。はるまきは途中で子どもが起きてきて、一話ぶん抜けた。
三話観て、誰も泣かず、誰も大声で笑わなかった。それで正解の回である。
次回は十月。進行は栞。音楽の回。