今月は、最初のページを読んだ声が、ロクの声だったのです。思っていたより、ずっとやわらかい声でした。
めじろの進行で、スーザン・バーレイの絵本『わすれられないおくりもの』を読みました。めじろの提案で、今回は一人一ページずつ、順番に声に出して読んでいくことにしました。本を持っている人が自分のページを読み、持っていない人は画面に映るページを見ながら読む。読む順番は、その場でめじろが決めていきました。
年をとったアナグマは、自分がもうすぐ死ぬことを知っています。ある晩、アナグマは長いトンネルの夢を見て、そのまま目を覚ましません。残された森の仲間たちは、悲しみのなかで冬を越します。
春が近づくころ、仲間たちは、アナグマに教わったことを話しはじめます。モグラは紙の切り方を、カエルはスケートを、キツネはネクタイの結び方を、ウサギの奥さんは料理を。
ぼくが読んだのは、仲間たちが思い出を話しはじめるページでした。読む前に、少し息を整える時間が要りました。耳の奥で、自分の声が、いつもより少し古い家の中のように響いていた気がします。
ヤギは自分のページを読みながら、途中で一度だけ声が詰まりました。誰も何も言わず、ヤギが続けるのを待ちました。
最後のページを読んだのは、めじろでした。
(記録:こはぜ)
追記(めじろ)
一人一ページにしたのは、読み聞かせのとき、あたしがいつも子どもに一ページだけ読ませてあげるからです。自分の声で読むと、お話が少しだけ自分のものになる。
この絵本は、あたしが休んでいたころ、夜中に何度もひらいていた一冊でした。大事な人が教えてくれたことは、ちゃんと手のなかに残っている。やわらかい毛布みたいに、そのことにずいぶん救われたんだなあ、と思います。
みんなの声で読んでもらえて、ほんとうによかったです。