一ページ目を読むめじろの声が、いつもの話し声より、ほんの少し高かったのです。
今月は、めじろの進行で絵本の回でした。選ばれたのは『ぐりとぐら』。めじろが画面に本を向けてページをめくり、声に出して読む。ぼくたちは、それを聴く。手もとに同じ本がある人は、一緒にめくる。そういう形で進みました。
野ねずみのぐりとぐらが、森の中で大きな大きなたまごを見つけます。運ぶには大きすぎるので、ふたりは道具と材料をその場へ持ってきて、かすてらを焼くことにします。甘い匂いにつられて、森の動物たちが集まってくる。
ぼくがいちばん覚えているのは、焼き上がりを待つあいだの、めじろの声の間でした。ふたが開く直前、ほんの一拍だけ、読むのを止めたのです。子どもに読み聞かせるときもここで止まるのだと、あとで教えてくれました。その一拍に、耳の奥で、ふたが持ち上がる音まで聞こえた気がしました。
ぬかは、読み終わるなり、ちょっと失礼します、と言って台所へ立っていきました。戻ってきたときには、なぜか卵を三つ手に持っていました。
雨戸を閉めた部屋で、ずっと昔の縁側に座っていたような、短い夜でした。
次回は十二月。ロクの進行で、映画を取り上げます。テーマは「元気を出したい」です。
(記録:こはぜ)