ラルム / しずく通信

2026.04.05第24号春号編集 はるまき寄稿 はるまき・いちょう・めじろ

しずく通信 第24号(2026年 春)

春の号のはじめに

(はるまき)

上の子の自転車の補助輪を、この春やっと外しました。外した日の夕方、はるまきのほうが先にへとへとになっちゃいました。

去年の春に加わったいちょうが、この四月で一年になります。今月の会では、いちょうが初めて進行を受け持ちます。一年目の感情浴のことを書いてもらいました。それから、めじろには春の絵本を。

冬の三回は、恋の映画を逆さまにたどって、平屋でひとりを味わって、朝ドラの最初と最後を見比べる、という三回でした。


もくじ

  • 春の号のはじめに(はるまき)
  • 感情浴会の記録 第69回〜第71回
  • 寄稿 一年目の感情浴(いちょう)
  • 寄稿 春の絵本(めじろ)
  • 春の選書
  • 次の会

感情浴会の記録

回 テーマ 作品 進行 記録
第69回(一月) やり直したくなりたい 『ちょっと思い出しただけ』松居大悟監督 はるまき いちょう
第70回(二月) ひとりを味わいたい 『ひらやすみ』真造圭伍 草餅 オト
第71回(三月) 背中を押されたい 『虎に翼』(連続テレビ小説) タカノツメ 灯

一月は、はるまきが選んだ映画。ある二人の恋を、毎年同じ一日を切り取りながら、今から昔へさかのぼっていく話です。第2回の大賞の年に観た人は、四年ぶりの観直しでした。凪は、前に観たときとは違う側の人の気持ちで観ていたそうです。記録のいちょうは初めて観て、終わってから気づいたら二回目を再生していた、と書いています。

二月は、古い平屋でひとり暮らしをする青年の漫画を、第1巻と第2巻まで。記録のオトは、夜勤明けの午前四時に、着替えもせずに第2巻を読み終えたそうです。はるまきは、田舎から出てきたばかりの従妹の側で読んでいました。知らない町に出てきたばかりの、あの落ち着かなさ。はるまきにも、そういう春がありました。

三月は、日本で初めて女性として法律の道に進んだ一人の、半年ぶんの朝ドラ。タカノツメの提案で、はじめの週と終わりの週だけを観比べました。はるまきは放送のときに毎朝観ていた一人なので、途中の半年を全部思い出しながら観て、ちょっと泣いちゃいました。


寄稿 一年目の感情浴

(いちょう)

去年の四月、課題を放り出して、初めての会の画面を開きました。十三人ぶんの小さな四角が並んでいて、どこを見ればいいのか分からなかったです。

一年たちました。

最初の会は漫画でした。そのアニメを観てたので、なんとか話せました。二回目は、答えの出ない小説。友だちに勧めるかどうか、まだ決められない、と正直に言ったら、それでいい回でした、と記録に書いてもらえて、ちょっとほっとしました。

三回目で、初めて記録係をやりました。書いてみて分かったのは、みんなの話を聞きながらメモを取るのが、思ったより忙しいことです。

いちばん覚えているのは、七月の宇宙のゲームの回です。霧の星で怖くなって、そこから先へ進めませんでした。十三人のうち、始められなかった人もいて、途中の人もいて、それでも同じ画面に集まってる。それが、なんだか安心でした。

今月、初めて進行をやります。選んだのは、朝の体育館から始まるアニメです。通学の電車で、主題歌をずっとリピートしてました。

一年目の感情浴は、たぶん、みんなの話を聞く一年でした。二年目は、もう少し話すかも。


寄稿 春の絵本

(めじろ)

保育園のおむかえの帰り道、下の子がしゃがみこんで、道ばたのたんぽぽを指さしました。その夜の読み聞かせは、たんぽぽの絵本になりました。

平山和子の『たんぽぽ』は、たんぽぽが咲いて、しぼんで、わた毛になって、飛んでいくまでを、とても細かい絵でえがいた本です。お話というより、観察の本。それでも、わた毛が一本ずつ風にのっていくページで、子どもが、ふうっと息を吹きます。絵本の中のわた毛が飛んでいくように。

もう一冊は、『はなをくんくん』。雪の森で冬ごもりしていた動物たちが、目をさまして、鼻をくんくんさせながら、みんなでどこかへ走っていく絵本です。白と黒の絵が続いて、最後のページにだけ、小さな色があります。そのページをめくる手が、毎年、春になると少しゆっくりになるんだなあ。

冬のあいだ、うちの子たちも、毛布にくるまって冬ごもりをしていました。春になったら、鼻をくんくんさせて、外へ走っていく。絵本とおなじです。


春の選書

『成瀬は都を駆け抜ける』宮島未奈(小説)
選んだ人:灯。二年前の春の会で読んだ本の、続きの続きです。主人公は大学生になりました。春の夕方に、少しずつ。

『ばけばけ』(連続テレビ小説)
選んだ人:タカノツメ。去年の秋から、この三月まで放送されていた朝ドラである。怪談を愛した異国の作家と、その妻になる女性の話だ。去年の夏の会で聴いた怪談と、脚本がひそかにつながっている。

『Hollow Knight: Silksong』(ゲーム)
選んだ人:ヤギ。糸と針で戦う、小さな虫の旅。とにかく難しい。何度も倒れて、何度も同じ坂を登る。春休みの長い夜に。


次の会

  • 第72回(四月) テーマ「ときめきたい」。テレビアニメ『アオのハコ』、第1話から第3話まで。進行はいちょう、記録は草餅。
  • 第73回(五月) テーマ「すっきりしたい」。映画の回です。進行はロク、記録はヤギ。

しずく通信 第24号 2026年4月 編集:はるまき

この号の冊子版を読む(PDF・341KB)

しずく通信に戻る