この号について
(栞)
春の号は、私(栞)が代わりにまとめました。
はるまきの家は、この春、子どもたちの入学と進級が重なって、台所がずっと湯気でいっぱいだそうです。寄稿は書いてくれたので、編集だけを引き受けました。いつもより薄い号になりますが、そのぶん、早く読み終えて、窓の外の桜を見てください。
それから、オトから、四月からしばらくお休みします、と連絡がありました。引っ越しと、仕事が変わるためです。戻ってくる日を、みんなで待っています。
もくじ
この号について/感情浴会の記録(第45回〜第47回)/寄稿 春に始めたいゲーム(ヤギ)/寄稿 新生活とドラマ(はるまき)/春の選書
感情浴会の記録
第45回(一月)考え込みたい 宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』 進行:ロク 記録:草餅
それぞれ映画館で観てから集まりました。ロクは最初に、今日は答えを出さない回にする、と言いました。分からなかったところを持ち寄って、分からないまま帰る回です。最後にロクが、要するに、と言いかけて、やめました。
第46回(二月)救われたい 『葬送のフリーレン』(テレビアニメ) 進行:凪 記録:栞
勇者が亡くなった葬儀の場面で、凪の声が出なくなりました。私たちは、凪の画面が静かになるのを待ちました。遅れても間に合うことがある話、と凪は一行で答えていました。
第47回(三月)ときめきたい 『愛の不時着』(韓国のテレビドラマ) 進行:タカノツメ 記録:はるまき
タカノツメの初めての進行で、第1話から第4話まで。会のあと、第5話にもう手を出した人は半分以上いました。はるまきは、その夜はがまんしたそうです。
寄稿 春に始めたいゲーム
(ヤギ)
新しいカレンダーの一枚目。指でめくる感覚が、ゲームの一日目に似ていると思った。
牧場を育てるゲームのシリーズがある。だいたい、春の一日目から始まる。荒れた畑と、古い家と、少しのお金。そこから一年かけて、季節をひとつずつ越えていく。
最初の春は、何も分からない。カブを植えて、水をやって、夕方には体力が切れて眠る。夏になると、少しだけ先が見える。秋には、もう来年の春の計画を立てている。一年目の自分の畑を見返すと、道がでこぼこで、手が止まる。
社会人になって二年目の春だ。一年目の畑は、たぶんでこぼこだった。
でも、ゲームの春は何度でも来る。現実の春も、たぶん同じだ。カブを植えるところから、もう一回。
寄稿 新生活とドラマ
(はるまき)
入学式の前の晩、上履きと体操着に名前を書き終えてから、新しい朝ドラの第1話を再生しました。
今週から始まった『虎に翼』です。女の人が法律の道に進むのがまだ当たり前じゃなかった頃の話で、第1週は、主人公がその道を選ぶかどうか迷っているところでした。いや、ほんとに、こういう第1週は、毎朝の十五分がたりないですよね。
春のドラマは、新しい生活と一緒に始まります。子どもが新しい教室に慣れるのと、はるまきが新しいドラマの登場人物に慣れるのが、だいたい同じ速さです。四月の終わりには、どっちもなじんでいる。いつも、そうなんです。
春の選書
今号は二つだけ。
『ハチミツとクローバー』羽海野チカ(漫画)
選んだ人:草餅。美大の学生たちの、片思いばかりの話。春の若葉みたいな色のページが、ときどき、ものすごく切ない……
宮沢賢治『春と修羅』(朗読で)
選んだ人:こはぜ。詩集です。朗読で聴くと、言葉が風のように耳の奥を通りぬけていくのです。春の午後、縁側で。
次の会
- 第48回(四月) テーマ「背中を押されたい」。宮島未奈の小説『成瀬は天下を取りにいく』。進行は灯、記録はぬか。
- 第49回(五月) テーマ「静まりたい」。映画の回です。進行はロク、記録はこはぜ。
しずく通信 第16号 2024年4月 編集:栞(代理)