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ぞくっとしたい

ぞくっとしたい

背筋を冷たいものが走る。安全な場所から浴びる、ほどよい怖さ

まとまり
五感がさわぐ
記録した作品
10 作品
よく書く人
こはぜ・ロク・鹿の子

この気持ちについて

ぞくっとしたい、というのは不思議な欲求です。怖いものは本来避けたいはずなのに、安全な場所にいると分かっていると、人はあえて背筋の冷える体験を求めます。夏の夜に怪談を聞きたくなるのも、同じ気持ちから来ているのでしょう。

この気持ちの感情浴は、緊張と解放の繰り返しです。何かが起きそうな静けさで息を詰め、正体が見えた瞬間に体がこわばり、作品が終わったところで一気に力が抜ける。その落差が、日常のだるさを吹き飛ばしてくれます。

鈴木光司の小説『リング』は、ありふれた道具が恐怖の入口になるという発想で、読後しばらく身の回りのものが違って見えます。伊藤潤二の漫画『うずまき』は、ある形にとりつかれていく町を描き、じわじわと理屈の外へ連れ出していく怖さがあります。アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『サイコ』は、見せないことで怖がらせる演出の手本として、今も新しく観る人をぞくっとさせています。

怖さへの強さは人によって大きく違います。ラルムの記録では、この気持ちの作品に、どのくらい怖いかの目安も書き添えるようにしています。

ぞくっとしたいときの作品

この気持ちで記録された10作品です。しずくの数は、心が動いた大きさの目安で、作品の出来を採点したものではありません。

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の表紙
小説こはぜの記録

頭の中で鳴っていた声を、最後の章で聴きなおす 相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

読み終えて、最初の頁へ戻りました
『ICO』の表紙
ゲームヤギの記録

手を離すボタンが、いちばん重かった 『ICO』

長椅子の前で、コントローラーを置いた
『国宝』の表紙
映画ロクの記録

百七十五分、瞬きの回数を数えそこねた 李相日監督『国宝』

席を立つのが一番最後になった
『怪談』の表紙
朗読/音声こはぜの記録

雨戸を閉めて、耳で読む怪談 小泉八雲『怪談』(朗読で聴く)

耳の奥がひやりとした
『李陵・山月記』の表紙
朗読/音声こはぜの記録

草むらの向こうから、友の声がする 中島敦『山月記』(朗読で聴く)

夜明けの場面で息をのんだ
『夢十夜』の表紙
朗読/音声こはぜの記録

障子の向こうから聞こえてくるような、十の夢 夏目漱石『夢十夜』を耳で読む

耳の奥がひやりとしました
『方舟』の表紙
小説鹿の子の記録

地下の方舟で、誰を残すのか 夕木春央『方舟』

閉じてから寒気が来た
『十角館の殺人』の表紙
小説鹿の子の記録

たった一行で、島の見取り図が書き換わる 綾辻行人『十角館の殺人』

最初の頁に戻った
『千と千尋の神隠し』の表紙
映画ロクの記録

湯屋の配管を、ずっと目で追っていた 宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』

電車の場面で肩が下りた
『リング』の表紙
映画ロクの記録

九十五分のうち、怖いのは何も映っていない時間だ 映画『リング』

背中が冷えた

この気持ちになれる場面

ぞくっとしたい作品が、どんな時によく浸かられているか。場面ごとに、作品と特集を束ねています。